クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 りおくん、どうしたの……?

 そう尋ねてみようと、口を開いた途端。

「それは嫌なんだ。もう少しだけ、こうさせてくれ。」

 ――ドキッ

 ……へ?

 今、心臓が変な感覚になった気が……。

 それに、りおくんが学校でそう言うなんて初めて。

 本当にどうしちゃったの、りおくん……?

 というか、それを言うなら私もちょっと変だ。

 さっきのりおくんの言葉にどうしてか、胸の高鳴りが収まらない。

 学校で抱きしめられてるから? それとも、さっきの低い声で?

 ……どっちかっていうと、後者だろう。

 りおくんの言葉には、いつものぶっきらぼうさがなかった。

 むしろ丁寧で優しくて、どこか甘くて……。

 ……って、私は何を考えてるの!?

 甘い、だなんて表現は今まで抱いた事なかったのに。

 どうして突然、そう思ったんだろう……。

 自分の気持ちの変化についていけなくて、観念してりおくんの腕の中で大人しくする。

 なんだか……抱きしめ方も、違う気がする。

 昨日はもっと軽くて、よくするハグだったのに……今は、壊れ物を扱うかのようにすごく優しい。