クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「うらら。」

 ぼんやりと考えていたその時、不意にりおくんが私を呼んだ。

「どうしたの?」

 何かあったのかな?と疑問に思い、首を傾げてりおくんを見る。

 そのりおくんの表情はほんの一瞬だけ、苦そうだった。

 けれどすぐにいつもの無表情に戻ってしまい、こんな言葉を口にした。

「今日部活が少し長引きそうだから、今日は教室で待っててくれるか?」

「そういう事なら分かった! ちゃんと待ってる!」

「ん。分かったならいい。」

 もう一度くしゃっと頭を撫でられ、えへへと微笑む。

 りおくんに頭撫でられるの、大好きだな……。

 りおくんの手は大きくて優しくて、だから安心できるんだ。

「はぁ……とりあえずあいつは一時間目は休ませるって。」

 そう思った瞬間、教室に疲れ果てた志珠ちゃんが帰ってきた。

「志珠ちゃんおかえりっ。それにお疲れ様。」

「うん、マジで疲れた。うらら抱きしめてー。」

「ふふっ、分かったっ。」

 お疲れな様子の志珠ちゃんをぎゅーっと抱きしめて、元気になってもらおうとする。