クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 うららはくすぐったいのか、少しだけ身をよじった。

 それすらも可愛くていじらしくて、余計に独占欲に拍車がかかる。

 うららだけだ、俺に優しい顔してくれるのは。

 今でこそは新納や大貴も接してくれるが、幼い頃からの味方はうららだけだった。

 ポーカーフェイスも、楽じゃない。

 感情が読めないなんて、散々言われてきた。

 酷い偏見だって、数え切れないほど。

 ……それ故、だ。

「何でもない。行くぞ、うらら。」

「うんっ。」

 こんな宝物、絶対に誰にも渡したくない。

 ……なんて、思うのは。