りおくんに抱きしめられたまま、そんな質問を投げてみる。

 私は落ち着くからいいんだけど、りおくんに良い事なんてないんじゃ?

 なんて思ってりおくんの言葉を待っていると、直後こんな言葉が聞こえた。

「うららは何つーか……落ち着くんだよ。大方、生まれた時から一緒に居るからそのせいだと思うんだけどな。こうしときゃ、気も紛れるしさ。」

 へぇ……そうだったんだ。

「それじゃ、りおくんも私と同じ気持ちだねっ。」

「同じ?」

 訳が分からないと言うように、首を傾げるりおくん。

 その言葉に私は、ふふっと笑ってこう答えた。

「うんっ。私もりおくんにぎゅーってされると落ち着くから、同じだなぁって思って。なんだか嬉しいっ、えへへ……。」

 りおくんもそう思ってくれるなんて、すごく嬉しかった。

 私だけがこんな事思ってるわけじゃないって、安心できたから。

「っ……お前な……。」

 りおくんは何かを呟いた気がしたけど、きっと気にする事でもないよねと自己完結して、わざわざ聞く事はしなかった。