クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

《分かったわっ。ちょっと待っててね。》

 インターホン越しにお母さんの声が聞こえてきて、しばし待つ。

 それにしても話って、何の事だろう?

 りおくんがお母さんに話があるって言うのなら、きっとよっぽどの事なんだろうけど……全く見当がつかない。

 うーんと悶々と考えていたら、突然ガチャっと玄関扉が開いた。

「うらら、凛遠君おかえりなさい。凛遠君もとりあえず上がって。ここじゃ冷えちゃうわ。」

「ありがとうございます。……うらら、歩けるか?」

 「大丈夫か?」と言葉を添えてくれたりおくんに、感極まる。

 ……りおくん、かっこいいなぁ。

 純粋に思って、だけど足の痛みは引いていないようで。

「ちょっとだけ痛いかも……。」

 と正直に伝えると、りおくんは私の手を優しい力で引いてくれた。

 そうされると一人で歩くよりは断然楽で、ふふっと微笑んだ。

「ありがとう、りおくん。」

「ん。」

 そんな短い言葉しか返してくれないりおくんだけど、私にはそれだけで十分だった。



 あの後、りおくんがお母さんに私が足を痛めた事を伝えてくれた。