クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「いいから。悪化したらどうするんだ。」

 い、痛いところを突かれた……。

 そこはりおくんの言う通りだけど、私だってもう子供じゃないんだから。

「だ、大丈夫だか――いっ……。」

 だけど痛みは引かなくて、むしろ痛くなるばかり。

 我慢できずに顔を歪めて、ぎゅっと拳を握りしめる。

 ……申し訳、ないけど。

「ごめんねりおくん……。私、りおくんの足引っ張ってばっかりで……。」

「どこが引っ張ってんだよ。そんな事気にしなくていいから、今は自分を優先しろ。」

「あ、ありがとうっ。」

 私をおぶったりおくんは、ぶっきらぼうだけど優しい言葉をかけてくれる。

 でもやっぱり、私が今日した事についてお説教されてしまった。

「つーか、男だったのにどうして助けたんだ。自分がそうなるって事、分かってたはずだろ?」

「と、遠くからだったからあんまり見えなかったのっ。髪も結んでたから、てっきり女の子かと思ったから……」

「それでも。自分の安全も確保できないのに、考えなしに動くな。それで今まで何度怪我したと思ってるんだ。」