クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「……そう、なのか。」

 最後のほうは言うのが怖くて、小さい声になってしまった。

 だけどりおくんはちゃんと最後まで聞いてくれて、言い終わった後にはふわっと頭を撫でてくれた。

「教えてくれてありがとな。」

「……私も、聞いてくれてありがとう。」

 りおくんに言ったからか、さっきより大分落ち着いてきた。

 ……それにりおくんが居てくれると、安心する。

 男の人の中でりおくんは気兼ねなく話せて、気を完全に許しきれる。

 大貴君は関わりやすいから、怖いって感情はないけど……少しだけ、接し方が分からない時がある。

 だから今は、りおくんが一番落ち着く。

「うらら、そろそろ帰るか? 俺も部活終わったし、早く帰らないと夜になる。」

「あっ、うんっ。でも先に職員室に鍵返しに行くね……!」

 りおくんは昇降口で待ってて!と言い、職員室へと速足で向かおうとする。

 ……でも、パシッとりおくんが私の腕を掴んだ。

「待て、俺もついてく。またさっきみたいな感じになったら心配だ。」

 う……確かに、ならないとは言い切れない。