クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 りおくんを抱きしめる腕の力を強くして、少しだけ零れた涙を拭う。

 その時にりおくんが、私の瞳を強引に自分の視線と合わせた。

「……何でそんな泣いて、震えてんだよ。」

 語気が強い。もしかして急に抱き着いたの、怒ってる……?

 一瞬だけそう思ったけど、それは違ったようで。

「もしかしてだけどさ……男に触られたのか?」

「っ……。」

 あからさまに反応してしまい、口を堅く閉ざす。

 りおくんはこれでもかというほど私に過保護。

 もしさっきの事を言ってしまえば、りおくんはどう思うんだろう……。

 油断すんなって怒られる? 馬鹿かって呆れられる?

 心配になってしまい、視線を下げる。

 今度は強引には合わせてこず、りおくんは懇願するような声で尋ねてきた。

「教えてくれ、お前がそんなに怯えてる理由を。心配で仕方ないんだ。」

「……怒らない?」

 確認するように聞き返すと、りおくんは当たり前というように頷いてみせた。

「怒るわけねぇだろ。だから俺に、言ってみろ。」