クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 けど彼は、そんな些細な事に気付かない。

 気付いてもらおうとも思ってないから、気にしてはないけど……。

 無理やりな笑顔を浮かべてそう言うと、彼は心底ほっとしたというような表情を見せた。

「それなら良かったです。……あっ、そろそろ生徒会室行かなきゃ!」

 水色の短く結っている髪をなびかせ、目の前の彼はそう言った。

 その言葉からすごく焦っているんだと分かり、慌てて飛び散った資料を集める彼を見て私もお手伝いをした。

「せ、先輩っ!? あの、拾わなくても大丈夫ですよっ!?」

「いえ、元々は私のせいで時間を奪ってしまったので、これぐらいはします。」

「……それじゃあ、お願いします。」

 震えは未だ収まらない。

 だけどこれぐらいはしなきゃ、なんだか気持ち悪さが体から抜けないような気がしたから。

 男の人と近い距離なのは怖かったけど、もうこの際は我慢するしかないと割り切るしかなかった。



「ありがとうございます、先輩。それに、ここまで持ってきてもらっちゃって。」

 私は今、少しの資料を持って生徒会室の前に立っている。