クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 震える唇で、なんとか言ってみる。

 本当はもうこの場から逃げ出してしまいたいけど、流石に頭を下げられてはこっちも困ってしまう。

「……本当にごめんなさい。急に落ちてきて、怪我とかしてませんか?」

「わ、私は大丈夫です。あ、あなたのほうが怪我とか……」

「僕は全然です。……だけど、先輩。」

「は、はい……?」

 先輩とは、きっと私のことを言っている。

 だって彼のネクタイの色が、赤色だったから。

 この学校は学年ごとにリボンとネクタイの色が違って、一年は赤、二年は青、三年は緑といった具合。

 だから私のリボンを見て、年上だと判断したんだろう。

 ぼんやりとそう思って、彼の言葉を待つ。

 私を呼んだって事は、何か言う事があるからだと思う。

 何を言われるんだろう……と、少し怖気づきながら、その場に座り込んだまま手を握りしめる。

「先輩は確か、男の人無理……なんですよね?」

「えっ……な、何でそれを知って……。」

 私、あんまりそういう事は人に言わないようにしてるのに……。