クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 小さくて、私の大切な宝物……なのに。

 どうして失くしちゃったんだろう、私っ……!

「ごめんみんなっ。ちょっと忘れ物しちゃったから、行ってくるね……!」

 どこまで私は馬鹿なんだろうと思いながら、急ぎ足である場所へ向かう。

 多分、あそこにならあるはずだからっ……。

 大体の目星がついていた私はぎゅっと拳を握りしめながら、【女子更衣室】と書かれた扉を開ける。

 幸いな事にまだ鍵が開いていて、急いで更衣室内を探す。

 えっと確か、この辺りにあるはず……あっ!

「あった……!」

 私が着替えていたロッカーの手前にぽつんと落ちていたお守りを拾い上げ、ぱぱっと埃を払う。

 良かった、どこも汚れてないみたい……。

 綺麗なターコイズブルーのお守りを両手で握り、今度こそ失くさないように生徒手帳に挟んでおく。

 でもどうして、落としちゃったんだろう?

 持ってきてないはずだけど、もしかしたら知らない間に持ってきちゃってたのかもしれない。

 そんな自己完結をして、ふぅ……と息を吐きながら更衣室を出て扉を閉める。