クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 私には絶対できないけど、気になるものは気になるっ。

 期待の眼差しをして、じーっとりおくんを見つめる。

 するとりおくんは諦めたのか、「分かった。」と言って分かりやすく教えてくれた。

「まずボールは足の甲で蹴って、それと同時に腕も動かす。あまり力を入れれば余計に飛ばないから、ある程度リラックスしてたほうが蹴りやすい。」

「へぇ……そうだったんだな。俺も今度してみるわ!」

 おぉっ、そんなコツがあったんだ。

 大貴君も初めて知ったように目をキラキラさせていて、ぐっと拳を作っている。

 おぉ、大貴君やる気だ。

 それじゃあ今度の体育は、大貴君のプレーも見ておこう。

「でも凄いよね、凛遠は。初めてやる事でもすぐに飲み込めて、かつ誰よりも上手にこなすんだから。羨ましい気もするわ、それ。」

「……ただ教えられた事をするだけだろ。そんな難しい事でもないし。」

 さらっとそんな風に言ってのけたりおくんは、余裕があるよう。

 こうやって何でもできるのに高飛車にならないところも、親切に教えてくれるのもりおくんの良いところだ。