クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 慰めんなよって言ったのに、追いかけて行っちゃダメなんじゃ……。

 ……これが俗にいう、ドSなのか。

 志珠ちゃんはやっぱりドSの人間なんだと気付き、私は苦笑いを抑える事しかできなかった。

「うらら、家帰ったら覚悟しとけよ。」

 ……その瞬間、優しくて甘い声が私の耳に届く。

 声に反応するように視線を動かすと、これ以上ないような甘い視線をりおくんが向けてきている事に気付いた。

 覚悟……って。

 まだ私が、ちゃんとした状態で好きって言ってないのに。

 でもなんとなくだけど、りおくんは私の気持ちを分かっていると思う。

 だからこう、確信を持って言えるんだ。

 ……幼馴染、だったから。

「……うん。」

 私はそんな彼に、ただ頷くしかできなかった。



 今日はどの部活もないらしく、すぐに帰れる事になっている。

 委員会活動も今日は先生がしてくれるとの事で、私は放課後になるとりおくんと一緒に帰る準備を始めた。

 今日の宿題、多いなぁ……。

 しかも私の苦手な理系……終わるか、分からないところ。