クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 だけど志珠ちゃんは、優しいから。

「何ぼーっとしてんの。先生来ちゃう前に早く片付けるよ!」

「……お、おす!」

「返事ははい!」

「はいっ!」

 ……思わず、ふっと吹き出してしまう。

 まるでコントを見ているみたいで、何だか面白かったんだ。

 微笑ましいそんな光景を見ながら、私も教材を拾い上げる。

「大貴君、前後はちゃんと確認したほうが良いよ?」

「えっ、これ俺のせいっ!? うらら、これ俺がしたんじゃ……!」

「ふふっ、分かってるよ見てたから。災難だったね、大貴君も。」

 つい、からかいたくなっただけ。

 とは言わず、手を動かしながらそう伝える。

 すると大貴君は本当に頭に来ているようで、さっき大貴君を押した人たちに物凄い剣幕で大声を浴びせた。

「お前ら覚えとけよ……っ! 今度ジュース奢らせるからな!」

「え、大貴ぬるいよそれ。もっと痛めつければいいのに。」

「……こわ、志珠。」

 さーっと血の気を引かせた表情をした大貴君。

 私も思わず、心の中で何度も首を縦に振った。