クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「りおくん、行かないでっ……。ここに居て、ほしいっ……。」

「……だけど、俺が居たら寝れないだろ?」

 りおくんは眉間に皺を寄せ、困ったような表情を浮かべる。

 だけど私はすぐに左右に首を振り、布団をぎゅっと握りながらこうお願いした。

「りおくんが居てくれたら寝れる気がするから……だから、もう少しだけ一緒に居て……?」

 寂しさが心の中を支配して、それこそ寝れなくなっちゃうから。

 心の中で祈っていると、りおくんは分かってくれたらしく大きなため息を吐いた。

「分かった。うららが寝るまで、隣に居るから。」

「……えへへっ、ありがとうっ。」

「その代わり、ちゃんと寝るんだぞ。」

「うんっ、分かってるもんっ。」

 りおくんは再びベッドの傍に座ってくれ、私の手を優しく握ってくれた。

 ……やっぱり、りおくんの体温は落ち着く。

 好きな人が近くにいるという状況だから、もしかしたら眠れないかもしれないと思っていたけど。

 それは杞憂で、私はすぐに夢の世界へと入ってしまった。