その日はもう早退する事になり、保健室でりおくんが荷物を持ってきてくれるのを待った。

 でもその最中、私の頬は真っ赤になったままだった。

 まさか、りおくんが私を好きだったなんて……。

『うん、俺もうららのこと好きだ。』

「……っ、う~。」

 思い出しただけで、顔が再び熱くなってくる。

 てっきり私だけが好きだと思って、勝手に自分で勘違いして……。

 今そう思えば、すごく恥ずかしい。

 でも、りおくんはずっと「好き。」って言ってくれた。

 それって、私が恋心を自覚する前から好いてくれていた……って、期待しても良いのかな。

 なんて、自分で考えたのにまたもや恥ずかしくなってくる。

「うらら、持ってきたぞ。」

 顔に熱が集まるのが今日何度目かもう忘れて、ぷしゅ~と湯気が出そうになった時。

 りおくんが私のスクールバッグを持って、私に渡してくれた。

「ありがとうっ。」

 ……あれ?

 だけどその時、ふと疑問に思った。

「りおくんもスクールバッグ、どうして持ってるの?」