クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「俺には、彼女なんかいないぞ?」

「え……でもっ、昨日女の人とっ……!」

 俺の言葉に、呆気に取られたような表情を浮かべるうらら。

 昨日……女の人……。

 何度もその言葉を頭に巡らせ、ある一つの可能性を導き出した。

「もしかして……放課後のマネージャーとの話、聞いてたのか?」

「……うん。盗み聞き、しちゃった……。」

 うららのその言葉で、俺は完全に理解した。

 あー……そういう事、だったのか。

 うららがどういう勘違いをしたのか、今やっと分かった。

 ただ、一つだけ言えるのは……。

「女っぽくてモテるって噂の、俺の部活のマネージャーだろ?」

「う、うんっ。その人っ!」

「俺、その人と付き合ってないんだけど。つーか、恋人作った事がそもそもねぇよ。」

 それじゃ、完全に誤解だったってわけだ。

 するとうららはほっと安堵すると同時に、不思議そうな表情も作った。

「じゃ、じゃあ……付き合うって言葉に、了承したりおくんの言葉の意味は……?」