クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 どれだけ迷惑をかければ、私が気が済むんだろう。

 何度、そう思っただろう。

 でもりおくんは、そんな手のかかる私からずっと離れないでいてくれて。

 これからも離れないでほしい、とわがままを言いたくなった。

「……うららが目覚めたの、担任に伝えてくる。ちゃんと寝とけよ。」

 りおくんは私と視線を合わせようとせず、椅子から立ち上がる。

 え……行っちゃう、の……?

「いやっ……!」

「……うら、ら?」

 自分が辛いのも忘れて、私は一心にりおくんの服の袖を掴んだ。

 離れてほしくない。行かないでほしい。

 ……そばに、いてほしい。

「りおくん、ごめんなさい……。また、私のせいで迷惑かけて……。」

 熱が出ている事なんて気にせず、起き上がってりおくんに縋りつく。

 りおくんに彼女さんがいるのは知ってるよ。

 でもね、自分の気持ちに嘘なんて……吐けなかった。

 好きになっちゃ、ダメなのかなとも思った。

 だけど、想空君の言う通りだった。

 恋はそう簡単に、諦めれないよ……。