クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 諦めないで……そう言われても、素直に受け入れられない。

 想空君にはとても、申し訳ないと思っている。

 ここまで気を遣わせちゃったのも、悲しそうな表情をさせてしまったのも。

 ……だけどもう、自信がなくなっちゃったの。

「先輩、先輩はそのままで告白すればいいんです。気持ちをちゃんと、龍己先輩に伝えてください。」

「……どうして。」

「はい?」

 ……何で想空君は。

「そこまで優しいのっ……? 私は、想空君の気持ちに応えられないのに……っ。」

 もっと怒られると思ってた。その覚悟もしていた。

 なのに逆に、優しい言葉ばかりかけられてしまった。

 飾らずにそのまま尋ねると、想空君は一旦きょとんとしてから。

「そんなの、先輩のために決まってるじゃないですかっ。」

 はっきりと、そう言った。

「さっきも言いましたけど、僕は先輩が笑ってくれたらそれでいいんです。好きな人の幸せを、見守りたいって思っただけなんですよ。」

「そあ、くん……」

「それじゃあ先輩、保健の先生には僕から伝えておくので一限目はゆっくり休んでくださいね。」