クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「え……?」

 想空君の気持ちも考えきゃなのに、言葉が口から出てきて止まらない。

 まるで、せき止めていた水が一気に流れ出てくるように。

 私の気持ちも、たくさん零れ出ていってしまった。

「私、りおくんのこと好きだったみたいで……でも、りおくんは別の女の子と付き合ったんだ。だからね、もう苦しくて悲しくて……どうすればいいか、分からなくなったの。」

 もう、自分がどうしたいのかも分からなくなってきた。

 りおくんに想いを伝えられない。

 それだけなのに、私をここまで縛ってくる。

「え……でも、龍己先輩は……。」

 想空君は何かを言いかけたけど、すぐに口を閉ざした。

 その代わりに、私を控えめに引き寄せてきた。

「そあ、くんっ……あの、離し――」

「いえ、離しません。そんな悲しそうな表情して、泣いてる先輩なんか僕は見たくないです。」

 拒否反応は出ている。しかも、あからさまに。

 だけど今の私は、抵抗するほどの気力は残っていなかった。

「僕言いましたよね? 先輩のこと好きだって。」