『付き合ってくれない?』

『はぁ……分かりました、いいですよ。』

 私じゃ、ダメだって分かったから……っ。

 こんな気持ちのまま、りおくんの隣に立てる気がしない。

 今日はもう、ダメだから。

 薄暗い帰路を一人で歩いて、倒れこむように自分のベッドに寝転ぶ。

 その途端、抑えきれないくらいの涙が溢れ出した。

「ふ、ぁ……うぅっ……。」

 声も震えて、一人で泣くしかできない。

 私は、りおくんじゃなきゃきっと好きになれない。

 でもりおくんはそうじゃないから。

 ――諦めなきゃ。

 その言葉が、頭に焼き付いて離れない。

 だけど無理だから、私はせめて。

 ……隣で、“幼馴染”として居たい。

 もうそれだけで、十分だよ。

 だからりおくんは気にしないで、恋を楽しんでね。

 初恋はあまりにも、儚すぎた。

 そんな私の初恋は、静かに心のどこかに染みて消えた音が聞こえた気がした。