クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 ……ダメ。想空君の優しさに甘えちゃ。

「わ、私は本当に大丈夫だからっ……! それじゃあ、またねっ……!」

「先輩……。」

 想空君の厚意を無駄にするのは、嫌だったけど。

 でもきっと、私がりおくんを好きだと言ったらもっと傷つける。

 だったら誰にも言わないのが、正解なんだ。

 傷つくのは、私一人で十分なんだからっ……。

 りおくんのことは、あまりにも衝撃的過ぎた。

 ……けど、ちゃんと祝福しなきゃ。

 りおくんとお似合いだよって、言わなきゃ。

「……はぁ……っ。うぅっ……。」

 嫌、だなぁ……。

 これが誰にも取られたくないって思う、嫉妬なんだ。

 だけど私が何か言ったところで、変わるわけじゃないから。

 今までりおくんに甘えてた罰なんだろう。

 ……今すっごく、心が苦しい。

 恋した時のようなドキドキじゃなくて、ズキズキって。

 嫌な感覚だと思いながら、私の試練なんだろうとも悟る。

『迷惑じゃない。うららになら、迷惑でも何でもかけられていい。』

 りおくんは、そうやって言って笑ってくれたけど。