クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「x=5です。」

「正解よ。ありがとう、龍己君。」

 今は数学の時間で、りおくんが指名された。

 凄い、りおくん……。私、こんなのまだ全然分かってないのに……。

 隣の席に座っているりおくんをぼんやり見つめながら、そう考える。

「それじゃあここの問題を……南持さん、答えてくれる?」

「えっ……あっ、は、はいっ。」

 ま、全く考えてなかった……。

 ぼんやりしていたから話を聞いていなくて、慌てて椅子から立つ。

 だけど、公式も頭に入ってない私には何も分からない。

 でも何も答えないわけにはいかない、よね……ど、どうしよう。

 完全に参ってしまいそうになったそんな時、カサッと私の手元にある一つの紙切れが降って来た。

《x=3、y=10》

 走り書きのような文字で書かれた数字に、はっとする。

 もしかしてこれ……りおくんが?

 そう思って呆気に取られるも、まずは問題に答えなきゃ。

「えっと……x=3、y=10、です。」

「うん、正解。南持さん、ありがとう。」