クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 ようやく起きたのか、勢いよく体を起こして慌てているうらら。

 その慌てように、俺は耐えきれずぷっと吹き出した。

「おばさんに頼まれて起こしに来たんだよ。にしても、驚きすぎだろ。」

「だ、だっていつもは外で待っててくれるから……って、私が早く起きてれば良い話なんだよねっ……。」

「あぁ、そうだな。」

 否定するのも違う気がして、そのまま肯定する。

 ……とりあえず、どうして寝坊したのかはまた後で聞くとして。

「とにかく、行く準備できたら出てこいよ。俺、家の外で待ってるから。」

「分かった! りおくん起こしてくれてありがとうっ。」

 そんな声を聞きながら、部屋の外に出る。

 途端、はー……と大きな息を吐きだした。

「……あんなの、半殺しだろ。」

 あんな無防備に笑うな、マジで変な虫が寄ってくる。

 というか、可愛すぎてヤバい。

 冷静になろうと、速足でうららの家から出ようとする。

「凛遠君、うららどうだった?」

 靴を履き、玄関扉に手をかけた時。

 背後からおばさんにそう言われ、簡単に伝えた。