クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「入るぞ。」

 学校もあるし、早く起こさないといけないだろう。

 一応声をかけてから、部屋の扉を開ける。

 ……その途端、規則正しい寝息が聞こえてきた。

「すぅ……すぅ……。」

「寝てるし……やっぱ珍しいな。」

 ベッドの近くまで移動して、小さくそう零す。

 うららの寝顔はもう何十回と見てきた。

 けど飽きる事なんてのは全くなくて、ただただ愛おしさがこみ上げてくる。

「うらら、朝だぞ。」

 そう声をかけて起こそうと試みるも、起きる気配はない。

 ……それどころか。

「おい、うらら……」

「むにゃ……えへへ~、りおくん~……。」

 寝言で俺の名前を言って微笑むうららに、制服の袖をちょこんと掴まれる。

 ……くっそ、マジでヤバいって。

 心臓壊れるだろ、こんなの。

 一体うららはどんな夢を見てるんだ……と思うが、とりあえず起こさないと。

「うらら、そろそろ起きないと学校遅れるぞ。」

「……ふぇ? ……っ、り、りおくっ……!? な、何でここにっ……!?」