クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

「……もちろんだ。」

 まさか、うららから話してくれるなんて。

 丁度良かったのか、良くなかったのか分からない……が。

 いずれ、聞く事になっていただろう。

 うららは未だ落ち着かない様子を見せているが、ゆっくり話をし始めてくれた。

「あの日……は、あの男の子と一緒に生徒会資料のお手伝いしてたの……。あの男の子は狛野想空君っていって、生徒会補佐さんらしかったから……たくさん資料があったから、私もお手伝いしたんだ。」

 ……あの一年、天才と謳われていた狛野だったのか。

 一年で生徒会補佐に成り上がった、文武両道の天才型の男。

 あの一年の正体が分かり、内心ほっとする。

 相手が分かれば……こっちのもんだ。

 俺とうららは十年以上一緒に居る。あんな奴なんかに、邪魔されてたまるか。

 ……なんて、今の状態でそんな事言えないのは分かってる。

「それで、想空君が教室まで送ってくれて、りおくんを一緒に待っててくれたんだ。でも、その時に……」

 ……どうした、うらら。

 中途半端なところで言葉を濁され、どうしたのかと動揺してしまう。