クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 その拍子にホースシャワーを落としてしまったけど、志珠ちゃんは気にしない。

「なーんでさっきあたしが引いたら、ほっと安心したような顔したのかな~?」

「……き、気のせいじゃないかな?」

 「この期に及んでもしらばっくれる気……?」と言いたげな志珠ちゃんをスルーして、あははと乾いた笑みを浮かべる。

 ……やっぱり、ダメだったかもしれない……。

 だって志珠ちゃんの眼力、すっごく怖いもんっ……!

 睨みとも取れるような志珠ちゃんの目力に、一歩後ろに下がる。

「ちゃんと言わなきゃ、無理やりにでも言わせるよ?」

 私が下がっても、志珠ちゃんが距離を縮めてくるから意味がない。

 ううっ、志珠ちゃん怖いよっ……!

 ……と言うわけにもいかずに、私はしばらく睨まれていた。

 でも、いくら言いにくい事だって隠すのは良くないよね……。

 ……私も、大人にならなきゃ。

 ここでわがままを使って言わないなんて、これこそ大人になって後悔する。

「わ、分かった……。志珠ちゃん、ちゃんと言うからっ……!」