クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 ……あの一年、締めるか。

 本気でそう考えた時、うららが言いにくそうに口を動かした。

「りおくん、あのね……。」

「……どうした?」

 言葉を濁し、言おうとしないうらら。

 気になって優しい声色で尋ねてみるも、うららは首を横に振った。

「や、やっぱり何でもないっ。」

 うららは無理やり作ったような笑みを見せ、少しだけ速足になる。

 本当は、「何があった?」と問いただしてしまいたい。普段ならそうしているだろう。

 だが今は……俺もそんな、余裕がなかった。

 聞いて受け止められるほど、落ち着いていられなかった。

 だからきっと、尋ねなくて正解だ。

 教えてくれないのは悲しいが、うららが言いたくないのなら無理には言わせたくない。

 ……なんて、どの口が言ってんだって話だけどな。

 自嘲し、自分で馬鹿だと思ってしまう。

 ダメだ、うららのことになると止められない。

 幼なじみの立ち位置は大事だが、やはり……うららの特別な存在になりたい。

 強欲だとは思っているが、思うくらいは許してほしかった。