クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

『おい、うららに何してやがった。』

 昨日はあの一年に嫉妬ばかりしていて、歯止めが利かなかった。

 もしかしたらうららに、怖がられているかもしれない。

 ……それでも、十年以上隠してきた気持ちだ。

 それにその十年の想いはあの一年とは全く別物だ。俺のほうがうららを想っている。

 ……だからといって、感情を抑えきれずにうららに言ってしまえば終わりだが。

 そんなヘマをしないように俺はとりあえず、ふぅ……と息を吐きだした。

「……りおくん、おはようっ。」

 気持ちを落ち着かせて伏せていた目を開けたと同時に、うららの可愛い声が聞こえてくる。

 その声に反応するように、うららへと視線を向ける。

 ……まぁ、昨日の今日だしな。

 うららは俺と目を合わす事がいたたまれないというように、あからさまに気まずそうな表情を浮かべていた。

「学校行くか。」

「……うんっ。」

 はぁ……ますます苛立ってきた。

 あの一年がやっぱり何かしらしたんだ。だからうららはこんなに気まずそうにしている。