一体、何があったって言うんだ……。

 だけど俺はその場では聞く勇気が出ず、結局その日はうららをそのまま家に帰した。



 ……くそ、寝れなかった。

 朝は嫌でも来るもので、重い体を強引に起こす。

 昨日はずっと、うららとあの一年のことばかりを考えていた。

 どういう関係なのか。どうしてうららが気兼ねなく話せれているのか。

『はい、気を付けて帰ってくださいね。』

 ……あの時の一年の、意味深で怪しい笑みは何なのか。

 考えても答えが出ない事なんて分かり切っているのに、考えずにはいられない。

 ……今日、うららに会ったら聞いてみるか。

 このもやもやは、確実に嫉妬だ。気持ちが悪すぎるくらい、俺の体内に潜んでいる黒い感情。

 うららは俺と大貴以外とは話す事が難しい。それは変わらないはずなんだ。

 しかもうららは大貴には触れられないから、実質俺が一番うららに近い存在だ。

 だから今までは、うららに見えないところで牽制をしていたが。

 ……もうそんな、甘い手は使えなくなってきた。