クールな幼馴染の、甘い求愛方法。

 はぐらかすのは、苦手。嘘も、吐きたくない。

 でも何より……。

 ――りおくんにだけは、告白された事を言いたくなかった。

 迷惑かけるのは、もちろんだけど。

 りおくんに知られたら、嫌な気持ちになる気がした。

 どうしてそう思うのかなんて、いっぱいいっぱいの私には分からない。

 ……きっとりおくんは、知りたがってる。

 それなのに。

「……ん、分かった。」

 知らないふりをしてそう言ってくれるりおくんは、どこまでも優しい。

 優しくて、心配になりそうなくらいに。

 ……こんなりおくんだから、今までもモテてきた。

 それは、今もだけど。

 なのに、どうしてだろう。

「っ……。」

 今、とっても心臓が苦しい。

 ただりおくんがモテるって事を考えただけなのに、それだけなのに。

 今まではこんな苦しい気持ち、感じなかったのに。

 私はそんな、よく分からない気持ちを打ち消そうと必死に忘れようとした。