勢いよく振り返ると、席順表は遙か遠く。

けれど窓際にも1枚貼ってあったので、そちらに近付いてもう一度名前を確認しました。


……馬見塚八雲。

間違いない、八雲くんと同姓同名です……!?


恐る恐る席を見ると、窓際から2列目、前から2番目に、しっとりとした黒髪の男子がいました。

ぽかんと、呆気に取られた顔をして。




「叶、希?」




その声は、聞き間違えようがありません。

だって、私の大好きな声ですから。




「八雲、くん……」




その顔も、見間違えようがありません。

ずっと、この目で追いかけてきたのですから。


もう、二度と会うことはないと思っていたのに。

高校の教室に、失恋した相手がいました。