【中】今さら、付き合いたいなんて。

角を曲がると、幸いにも八雲くんの背中を見つけることができて。

校舎裏からどんどん離れていきながらも、走り続けて、八雲くんの腕を掴みます。




「あのっ、違うのっ! いや、違わないんだけどっ、あたしが八雲のこと好きっていうのは、そのっ!」


「……は?」


「だ、だから、告白はちゃんと別にするから、さっき聞いたことは忘れて欲しくてっ!」


「……」


「いや、もう……っ、あぁ、えっと……! 本当は不良として認められたら言おうと思ってたのにっ」




八雲くんに認められたら、友達から進める可能性があるかも、と思っていたのに。

こんな中途半端な形になるなんて、全く予想していませんでした!

いえ、前回のことですぐ告白すればよかったと後悔しましたけど!


ええい、不良は度胸、女は度胸です!