Side:―――


休み時間の校内。

(すが)芹香(せりか)はとある生徒に近付き、「おい」と声をかけた。




「ツラ貸せよ」


「ひっ……な、なんですか……?」




その顔には表情と呼べる表情が無く、虚無の中の冷たい瞳が、部坂(へさか)初音(はつね)に怯えた表情をさせた。




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Side:與那城(よなしろ)叶希(とき)




[校舎裏に来い]


「この呼び出し……友達じゃなかったら喧嘩だと思ってたわ」




先ほど届いたメッセージを見て苦笑いすると、私は呼び出された通り校舎裏に向かいました。

芹香に発破をかけられたのは先週末のこと、私は八雲(やくも)くん略奪計画を立て始めるほどに回復しています。

顔のアザも綺麗さっぱり、です。


持つべきものは友達、とはこのことですね。




「芹香、来たよ……って、何してんの?」