【中】今さら、付き合いたいなんて。

「充分、分かっただろ? その姿でいることが、どんなに危険か」




八雲くんの言葉は、私の身を案じてのことでしょう。

先ほどの、今で……私も、何も聞いていなければ素直に頷いていたかもしれません。


でも、今となっては、突き放す言葉にしか聞こえないのです。




「助けてくれたことには、感謝しています……でも、八雲くんに干渉される筋合いは、ないです」


「! 何、言ってんだ」


「私は、不良であることをやめるつもりはありません」


「学ばなかったのか? 1回だけじゃないだろ、これまで何度も危ない目に遭ってきた。優等生に戻れば、それも……!」


「――嫌です……っ! 八雲くんには、私よりもっと気にするべき人がいるんじゃないですか!?」




あぁ、こんな言い方をしたいわけではないのに。


私はぎゅっと目を瞑って叫ぶと、投げ捨てられたリュックを拾いに行きました。