「あ、ありがとうございます、八雲くん……っ」
「あぁ」
涙混じりに、詰まりながらお礼を言うと、八雲くんは優しく答えてくれました。
それから、私の嗚咽が響く倉庫の中で、私は落ち着くまで八雲くんに背中を撫でてもらったのです。
ずびっ
「……落ち着いたか?」
「はい……」
八雲くんの問いかけにこくんと頷き、そっと体を離して一歩、二歩と下がります。
八雲くんは……部坂さんと付き合ってしまったのですよね。
これ以上、慣れ慣れしくしては……。
「なぁ」
呼びかけられて顔を上げると、八雲くんは久しぶりに見る不良の顔で私を見つめていました。
無愛想だけど、優しい……私の、大好きな瞳です。
「叶希、もうこんなことはやめろ。お前は、優等生の方が似合うよ」
「……!」



