【中】今さら、付き合いたいなんて。

4、5分ほど走って、ガタガタ震える体を押し出すように下ろされたのは、どこかの廃倉庫のようです。

辺りを見回しても、人が寄り付きそうな場所には見えず、さらに恐怖心が募ります。


誰にも、助けてもらえない……?

いえ、スマホ、スマホを上手く使えば、警察を呼べるかもしれません……!




「重い荷物は持たなくていいぜ」


「スマホも持ってるだろ? どこにあるかな~、と」


「あっ、やめて、返して!」




背負っていたリュックを取り、遠くに投げて、1人は私を羽交い締めにし、1人はポケットを探ってスマホの電源を落としました。

あっという間に連絡手段を奪うその手腕に、慣れを感じて体の芯が冷えます。

男性達は着の身着のままになった私を倉庫の奥に突き飛ばすと、3人で囲むように、倒れ込んだ私の前に立ちました。