がむしゃらに走っていた足がゆっくり止まって、どこかも分からない場所で涙がこぼれました。
どうして、こんなことになってしまったのでしょう。
今さら、のんびり構えていたことを後悔したって。
卒業式の時と同じ。もう、遅いのです。
どうして私は、すぐに告白しなかったのでしょう?
そうすれば、好きと告げる前に、失恋せずに済んだのに。
今さら、八雲くんと付き合いたいなんて……言えません。
「おーおー、その金髪、その顔は忘れもしねぇ、あの時のアマ!」
「1人で泣いちゃってどうした~? あの彼氏に振られたのか? お?」
「っ……あ、あんた達、は……!」
横から声をかけられて振り向くと、休日にナンパをしてきた男性達がいました。
どうして今、と思いながら慌てて涙を拭い、キッと睨みます。



