「そこの2人、ちゃんと掃除してくれませんか。立ってるだけでは邪魔です」


「あぁ? うっせーな、命令してくんな」


「足下掃いてるしー。目ぇ悪いの?」




掃除の時間に窓際で芹香(せりか)と話していると、八雲(やくも)くんが近付いてきました。


注意される側だった八雲くんが注意してくるなんて、なんだか面白いです。

それを言うと、私も注意する側からされる側に変わっているのですが。




「掃除に参加する意欲は認めますが、それでは他の人の仕事を増やしています。叶希(とき)さん達はあのエリアをお願いします」




もちろん不良に気後れするはずのない八雲くんは、めげずに教室の隅を指さします。

芹香はイライラした様子で、八雲くんをギロッと睨みました。




「命令すんなっつってんだろ」