「今までサボってたツケだから」
「興味が湧かなかったもので。本当に俺、必要ですか?」
「あたしは授業サボってんの。聞いてないことは分かんないに決まってんでしょ」
「そうですか。じゃあ、一通り説明しますね」
八雲くんは笑って、今日の歴史の範囲を教えてくれます。
席に座っていた芹香は、「マジで勉強すんのかよ。他所でやれよな」と嫌そうに文句を言いつつ、席を外す気はないようでした。
八雲くんの衝撃発言に固まっていた皆さんも、今は私に連れ去られた八雲くんに同情の視線を向けています。
上手く誤魔化せたみたいで、本当によかったです。
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「うぅん……暇です」
休日になって、部屋でごろごろしている私は呟きました。
芹香にはバイトがあると振られてしまいましたし、八雲くんには今の姿で休日に会う勇気がありませんし。



