「何、あんた。頭が良いと数学も飽きるって? 3.14だけ覚えてれば計算できるもんね。国語社会はどうなわけ」
「よ、與那城……さん」
「はあ……まぁ、一通り覚えてますけど」
「はぁ? 暗記も得意とかムカつく。今日の歴史も簡単に覚えたわけ?」
「苦労した覚えはありませんね」
話に混ざると、八雲くんは素直に応じてくれました。
私はさり気なく八雲くんを褒めて、皆さんの意識を逸らそうと健闘します。
「チッ、じゃあ来いよ。宿題手伝え」
「……俺、必要ですか?」
「何、バカに教えるのは時間の無駄って言いたいの? マジでムカつくんだけど」
八雲くんの手首を掴み、勢いで誤魔化して芹香の席へ連行しました。
ふぅ、危なかったです。
八雲くんは教科書を読めばスポンジのように吸収する優秀な頭脳を持っているのですが、勉強自体に興味が無いんですよね。
授業に出ればテストでも満点を取るのに。



