「ほっ、本人には絶対言わないでよ!」
「ハイハイ。あの優等生のどこがいいんだ?」
「どこって……かっこいいじゃん」
「顔? ハッ、ミーハーだな」
「か、顔もそうだけど、全部がかっこいいんだよ」
深く付き合わなければ、ただの無愛想な人と思っていたかもしれません。
でも、八雲くんは友達のことをよく見ていて、友達に優しいのです。
確かに、他の多くのことに関心が無い人ですが、その分関心のある少ないことに沢山の情熱を注いでいます。
知れば知るほど、かっこよく見える人なんです。
「ふぅん……ま、そいつのいいとこなんて好きなやつにしか分かんねぇもんだよな」
「な、何それ。本当にかっこいいんだよ?」
「惚気は結構、さっさと校舎裏行くぞ」
「あ、ちょっと!」



