どうにも私は、八雲くんに不良として認められていない気がします。
だってあれから、“不良に近付かないこと”って頻繁にお小言を言われるんですよ!?
それも、子供に言い聞かせるように!
納得がいきません。
そんなわけで、私は考えたのです。
八雲くんに不良行為で迷惑をかけて、私を不良として認めさせようと!
「そういや、体育館裏縄張りにしてる奴らがいるって言ってただろ?」
「あぁ、あいつらがどうかした?」
移動教室からゆっくり帰ってきた私達は、窓際の私の席に向かいます。
いつもなら芹香が私の机に、私は窓枠に腰掛けるのですが、今日は私がしれっと、八雲くんの机に座ってみました。
「……」
席に座って本を読んでいた八雲くんは、私をチラッと見ると、面白がるように目を細めて読書に戻ります。