どうしてお前が、そんな格好を?




「叶希! よっ、髪染めたん? イカしてんじゃん」


「ぇ、あ、せ、芹香(せりか)……」




硬直して、顔だけ百面相をしている叶希に近付いたのは、見るからに不良な女。

“もう不良に近付くな”って言ったのに、いつあんな奴と知り合ったんだ?




「お前変に真面目なとこあるからさ、入学式行ってるかと思って私も来たんだぜ。ふけんならゆっくり来ればよかったわ」


「そ、そうなんだ? それはごめん」


「ハッ、何謝ってんだよ! 私が勝手にしたことだろ」




パシッと叶希の肩を叩いた女を、一瞬睨みそうになった。


見た目もそうだが、敬語で喋らないのも叶希らしくない。

これは、どう見ても不良を意識してるんだよな。