お手本のような芹香の振る舞いは、ぜひとも真似したいところですが、特別な日は控えないと厳罰を食らってしまいます。
髪を翻して後ろの席に戻っていく芹香を見送り、私も気まずさを隠しながら自分の席に座りました。
「では続きからどうぞ」
「はい、――」
順番に自己紹介していくのを聞き流しながら、横目にチラッと八雲くんを見ます。
中学の時はきつい目つきだと思いましたけど、こうして格好を変えると、八雲くんのつり目はきりっとしていてかっこいいとしか感じませんね。
視線は合わないけど、その横顔は一足先に落ち着いたように見え……。
と、思ったところで八雲くんの視線がこちらに向いて、バッと顔を逸らしました。
こ、こっちを見てます……!?



