八雲くんと恋人になってからの日常は、ずっとこんな感じです……。

たまには私が勝てる日があってもいいのにっ。




「叶希。今日の分のキスは?」


「も、もういっぱいしたじゃないですかっ」


「叶希からはしてないだろ」


「うぅ〜っ……!」




恋人になった日の嘘みたいな約束は、毎日八雲くんに催促されて、本当に果たされています。

心の底から嫌ではない私は、求められると今日も流されてしまい……。




ちゅ


「ん。満足した」


「っ……八雲くん、好きです……」




そう、ちゃんとキスをすると、八雲くんの笑顔という報酬が返ってくるのです。

こんな顔が見れるなら、1日1回のキスも頑張れる……って、だからそれが流されてるんですよ!




「俺も。叶希以外、興味無い」




……うん。

明日も、流されていいかもしれません……。