八雲くんはクスリと笑って、そんな説明をします。
なんだかバカにされているような感じがするのは、気のせいでしょうか。
「そ、そのキスマークってのでどうすんのっ?」
「胸元をちゃんと隠したくなるようにします。分かったら腕をどかしてください」
「や、やだっ!」
「じゃあ、強引にやるしかありませんね」
「や、やだって言ってんじゃんか!」
必死に胸元を隠しても、八雲くんはべりっと私の腕を剥がして、胸元に顔を寄せます。
そのまま、私は為す術なくキスマークとやらをつけられていってしまいました。
「や、八雲のばかぁ……っ」
恋人の意思を無視するなんて酷いですっ。
ふるふると涙目で八雲くんを睨むと、目を細められ、その後ニコリと笑って流されました。



