【中】今さら、付き合いたいなんて。


八雲くんはクスリと笑って、そんな説明をします。

なんだかバカにされているような感じがするのは、気のせいでしょうか。




「そ、そのキスマークってのでどうすんのっ?」


「胸元をちゃんと隠したくなるようにします。分かったら腕をどかしてください」


「や、やだっ!」


「じゃあ、強引にやるしかありませんね」


「や、やだって言ってんじゃんか!」




必死に胸元を隠しても、八雲くんはべりっと私の腕を剥がして、胸元に顔を寄せます。

そのまま、私は為す術なくキスマークとやらをつけられていってしまいました。




「や、八雲のばかぁ……っ」




恋人の意思を無視するなんて酷いですっ。

ふるふると涙目で八雲くんを睨むと、目を細められ、その後ニコリと笑って流されました。