【中】今さら、付き合いたいなんて。


芹香にも悪びれなく謝られて、お姫様抱っこされた自分の姿を見ると、Yシャツの胸元が透けていました。

間違いなくこれです!


あわあわして腕で胸元を隠せば、“やっと自覚しました?”と言いたげな八雲くんの視線を感じます。

だって自分の姿なんて見えないじゃないですか!




「叶希さんは借りていきますよ」


「おう。保健室空いてるといいな」


「えぇ」


「おっ、マジでやる気か」


「冗談ですよ、こんなところでするわけないじゃないですか」


「な、なんの話……??」




芹香と八雲くんの謎の会話についていけずにいると、「気にしないでください」と八雲くんが言いました。

そのまま、私は八雲くんに運ばれて校庭を後にします。


その後、私が降ろされたのは、保健室のベッドの上でした。