ブシューッ
「きゃっ」
「!」
「ハッ、油断したな。ざまぁみろ!」
「ちょっと芹香、あたしにもかかったんだけど~!」
「元々濡れてんだからいいだろ」
と、そんなことを考えている間に、芹香が私ごと八雲くんに水ビームを命中させました。
芹香に文句を言った後に顔を向けると、八雲くんは目を伏せて濡れた髪をかきあげています。
その姿がなんとも絵になっていて、私は八雲くんの頬を両手で挟み、顔をこちらに向かせました。
「叶希さん? ……」
きょとんと私を見た八雲くんは、何故か眉を顰めて私を抱き上げます。
「きゃっ、ちょっと、何!?」
「ご自分の姿を顧みてください」
「はぁっ?」
「あー、まぁ一応謝っとくか。わり」



