「もーっ、全然当たんないじゃん! やめよやめっ!」
「これくらいで拗ねないでください」
「はぁ!? これくらいって何!?」
「あぁ、失言しました。すみません」
八雲くんは水道の縁に腰掛けた私に近付いて、ちゅ、とキスをしました。
私はぐ、と言葉に詰まって、無言でそっぽを向きます。
「馬見塚って優等生だけどああいうとこ恥じらいないよな」
「っていうか、何回見てもショック~……なんで不良と付き合ってんの?」
聞こえてきたクラスメイトの皆さんの話し声は、羞恥を煽るような、ムカつきを煽るような、です。
八雲くんは入学当初に私が懸念した通り、モテモテの人になってしまいました。
私と付き合っていると知られた後も、そのモテっぷりは変わらないのです。



