【中】今さら、付き合いたいなんて。



「もーっ、全然当たんないじゃん! やめよやめっ!」


「これくらいで拗ねないでください」


「はぁ!? これくらいって何!?」


「あぁ、失言しました。すみません」




八雲くんは水道の縁に腰掛けた私に近付いて、ちゅ、とキスをしました。

私はぐ、と言葉に詰まって、無言でそっぽを向きます。




馬見塚(まみづか)って優等生だけどああいうとこ恥じらいないよな」


「っていうか、何回見てもショック~……なんで不良と付き合ってんの?」




聞こえてきたクラスメイトの皆さんの話し声は、羞恥を煽るような、ムカつきを煽るような、です。

八雲くんは入学当初に私が懸念した通り、モテモテの人になってしまいました。

私と付き合っていると知られた後も、そのモテっぷりは変わらないのです。